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地方消滅-人口減少の影響で消える市町村-896自治体一覧

市区町村(自治体)の消滅可能性を日本創成会議で伝えた増田寛也氏の示した地方消滅データは人口減少を考えるうえで貴重な情報です。

増田レポートには批判もありましたが、地域活性化や地方創生は、人口減少が地方衰退につながるため、抑制・改善するために実施されています。

これから地方消滅の要約もあわせて人口減少と極点社会の影響をみていきます。

身近で行われている地域活性化や地方創生の効果も考えながら読んでください。

人口減少の影響と原因および課題(対策)についての解説から紹介していきます。

人口減少と極点社会について

日本の人口減少問題について紹介します。

人口減少
人口減少・日本の人口の推移

人口減少が予測されており、これにともない極点社会が危惧されています。

極点社会とは
高齢者が減少、若年女性が流出することで存亡の危機に陥る地方。その一方で大都市ばかりに人が集中し、最終的には国全体が縮小していくいびつな「極点社会」。

「極点社会」⇒日本全体の人口減少がさらに加速化⇒人口のブラックホール現象

注意:調べてみましたが極点社会の定義はないようです

人口減少の影響と原因

人口減少の影響と原因は、市区町村(自治体)の消滅可能性および極点社会によってわかります。

2040年、896市町村が消滅!? 若年女性流出で、日本創成会議が試算発表
 2040(平成52)年に若年女性の流出により全国の896市区町村が「消滅」の危機に直面する-。有識者らでつくる政策発信組織「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)が8日、こんな試算結果を発表した。分科会は地域崩壊や自治体運営が行き詰まる懸念があるとして、東京一極集中の是正や魅力ある地方の拠点都市づくりなどを提言した。

 分科会は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年3月にまとめた将来推計人口のデータを基に、最近の都市間の人口移動の状況を加味して40年の20~30代の女性の数を試算。その結果、10年と比較して若年女性が半分以下に減る自治体「消滅可能性都市」は全国の49・8%に当たる896市区町村に上った。このうち523市町村は40年に人口が1万人を切る。

 消滅可能性都市は、北海道や東北地方の山間部などに集中している。ただ、大阪市の西成区(減少率55・3%)や大正区(同54・3%)、東京都豊島区(同50・8%)のように大都市部にも分布している。

 都道府県別でみると、消滅可能性都市の割合が最も高かったのは96・0%の秋田県。次いで87・5%の青森県、84・2%の島根県、81・8%の岩手県の割合が高く、東北地方に目立っていた。和歌山県(76・7%)、徳島県(70・8%)、鹿児島県(69・8%)など、近畿以西にも割合の高い県が集中していた。

 増田氏は8日、都内で記者会見し、試算結果について「若者が首都圏に集中するのは日本特有の現象だ。人口減少社会は避けられないが、『急減社会』は回避しなければならない」と述べ、早期の対策を取るよう政府に求めた。

極点社会
極点社会~新たな人口減少クライシス~クローズアップ現代

このように人口減少問題の影響は市区町村(自治体)の消滅や極点社会にまで発展するおそれがあります。

原因は日本全体の人口が減少する 少子高齢化問題 によるものですが、極点社会は人が地方から都市部への流出する一極集中によるものでした。

この人口減少問題によって消滅する可能性のある市区町村(自治体)については、次の課題と対策で紹介します。

消滅可能性896市区町村(自治体)一覧

消滅する可能性のある896市区町村(自治体)は“全国市区町村別「20~39歳女性」の将来推計人口”よりわかりました。以下のリンクよりご覧ください。

・一覧表: 全国市区町村別「20~39歳女性」の将来推計人口
・マップ: 全国市区町村別「20~39歳女性」の将来推計人口(地図化)

ここで“市区町村(自治体)消滅”について誤解を招かないように少し補足しておきます。

この市区町村(自治体)消滅は、消えてなくなるという意味の消滅ではありません。現在の機能を維持できなくなるという意味なので誤解のないようにしてください。

人口減少問題の課題と対策

市区町村の消滅可能性を報告した日本創成会議より基本姿勢と戦略の提言において、次のような課題と対策があげられています。

<基本姿勢>

【「不都合な真実」を正確かつ冷静に認識する】
○日本の人口減少は「待ったなし」の状態にある。人口問題は、ややもすれば極端な楽観論と悲観論が横行しがちである。この問題を根拠なき「楽観論」で対応するのは危険である。一方、「もはや打つ手がない」というような「悲観論」に立っても益にはならない。困難ではあるが、解決する道は残されている。要は、眼前に迫っている「不都合な真実」とも言うべき事態を、国民が正確かつ冷静に認識することからすべては始まる。

【対策は早ければ早いほど効果がある】
○人口減少問題は、病気に例えれば「慢性疾患」のようなものである。対策とは日本の人口構造そのものを変えていくことであり、効果が出てくるまでには長い時間を要する。しかし、早く取り組めば取り組むほど効果はあがる。事態への対応を先延ばししないことこそが基本姿勢として求められる。

【基本は「若者や女性が活躍できる社会」を作ることである】
○若者が自らの希望に基づき結婚し、子どもを産み、育てることができるような社会をつくること。それが人口減少の流れをストップさせる基本方策である。また、男性が働き方を変え、育児に主体的に参画する一方で、女性が能力を活かして社会で活躍できるようにすることである。人口減少を克服する道は、今まさに安倍政権が官民あげて取り組んでいる政策と同一線上にあるものである。

Ⅰ.戦略の基本方針
○日本が直面している深刻な人口減少をストップさせ、地方を元気にしていくためには、以下の「基本方針」に基づき、総合的な戦略を推進する必要がある。

(1)人口減少の深刻な状況について国民の基本認識の共有を図る。
○多くの国民は人口減少の深刻さを十分に認識していない。有効な対策を検討し、果断に実施するためには、「人口減少社会」の実像と「今後の対応」のあり方に関し国民の基本認識の共有を図る必要がある。このため、人口減少の現状と将来の姿を身近な地域のレベルまで示すなど、国民に早急に情報提供する必要がある。また、この問題を国民に分かりやすく伝え、活発な議論や取組を実現するために、各界の人材を『ストップ少子化・アンバサダー(仮称)』に指名し、その活動を支援するようなことも有用である。

(2)長期的かつ総合的な視点から、有効な政策を迅速に実施する。
○人口減少に関わる課題は、長期的な視点から考える必要がある。また、社会経済全般に関わることから、子育て支援だけでなく、産業・雇用、国土形成、住宅、地方制度など総合的な取組が不可欠である。
○このため、内閣に「総合戦略本部」を設置し、将来の人口減少を踏まえた「長期ビジョン」と総合戦略を策定する必要がある。
○また、地域においても「地域戦略協議会」を設置し、「地域版長期ビジョン」と総合戦略を策定することが重要である。

(3)第一の基本目標を「国民の『希望出生率』の実現」に置き、国民の希望阻害要因の除去に取組む。
○結婚・出産は個人の自由が最優先されるべき事柄である。それを前提とした上で、戦略の第一の基本目標を「国民の希望が叶った場合の出生率(希望出生率)を実現すること」に置く。この基本目標の実現のため、結婚をし、子どもを産み育てたい人の希望を阻害する要因(希望阻害要因)の除去に取り組む。

(4)上記の実現のため、若者が結婚し、子どもを産み育てやすい環境づくりのため、全ての政策を集中する。企業の協力は重要な要素。
○「20 歳代~30 歳代前半に結婚・出産・子育てしやすい環境づくり」と「第2子や第3子以上の出産・子育てがしやすい環境づくり」のため、全ての政策や取組を集中し、制度・慣行の改革に取り組むべきである。
○この点で、企業は就労している若者(男女)の結婚・出産・子育てに大きな影響を与えている。少子化問題において、企業が重要な役割を担うことを踏まえ、積極的な協力を得ることが重要である。

(5)女性だけでなく、男性の問題として取り組む。
○結婚・出産・子育ては女性や母親だけの問題ではない。むしろ男性の意識や姿勢が大きな影響を与えており、男性が自らの問題として取り組むべき課題が多い。特に男性の「働き方」を大きく変え、子どもを共に育てる観点から、男性が育児や家事に主体的に参画することが重要である。

(6)新たな費用は、「高齢者世代から次世代への支援」の方針の下、高齢者政策の見直し等によって対応する。
○新たな政策実施で必要とされる費用は、祖父母にによる孫の世代への支援をはじめ、高齢者世代から次世代への支援を推進する方針の下で、これまで高齢者に偏りがちであった税制や社会保障制度など高齢者政策の見直し等によって対応すべきである。
○人口減少の下で多額の債務を抱えることとなる将来世代に負担のツケ回しはすべきではない。

(7)第二の基本目標を「地方から大都市へ若者が流出する『人の流れ』を変えること」に置き、『東京一極集中』に歯止めをかける。
○日本は若年層を中心に地方から大都市への「地域間移動」が激しく、地方の人口減少の最大要因は若年層の流出にある。このままでは多くの地域が消滅するおそれが高い。人口過密の大都市では、住居や子育て環境等から出生率が低いのが一般的であり、少子化対策の視点からも地方から大都市への「人の流れ」を変える必要がある。
○特に東京圏は、このまま推移すれば、今後も相当規模の若者が流入することが見込まれ、2020 年の東京五輪は東京圏への流入を更に強める可能性がある。これ以上の『東京一極集中』は、少子化対策の観点からも歯止めをかける必要がある。また、このことは、首都直下地震対策にも有効である。

(8)「選択と集中」の考え方の下で、地域の多様な取組を支援する。
○地域によって人口をめぐる状況は大きく異なるため、地域が実情を踏まえた多様な取組を行うことが重要である。その上で、似たような小粒の対策を「総花的」に行わず、「選択と集中」の考え方を徹底し、人口減少に即して最も有効な対象に、投資と施策を集中すべきである。

(9)生産年齢人口は減少するので、女性や高齢者、海外人材が活躍できる社会づくりに強力に取り組む。
○少なくともここ数十年は生産年齢人口の減少は避けられないことから、女性や高齢者、海外の人材がより一層活躍できる社会づくりに強力に取り組む。

(10)海外からの受け入れは、「高度人材」を中心に進める。
○海外からの大規模移民は、人口減少対策として現実的な政策とはなり得ない。国際化・生産性の向上の視点から、海外からの「高度人材」の受け入れを中心に取り組むべきである。

『日本の人口減少は「待ったなし」の状態にある』のは私たちも肌で感じるまでになっていますが、どのような政策がおこなわれているのでしょうか。

その前に次の動画もご覧ください。

人口減少問題研究会

次は、人口減少問題の政策について紹介します。

人口減少問題を解決するための政策

人口減少問題での課題は、一極集中を緩和することにありました。つまり地方を活性化して人口流動をゆるやかにすることで極点社会を防止することになります。

この政策は地方創生のまち・ひと・しごと創生本部で政策会議が行われており、以下の原則になっています。

まち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たっての原則
まち・ひと・しごとの創生に向けては、人々が安心して生活を営み、子供を産み育てられる社会環境を作り出すことによって、活力にあふれた地方の創生を目指すことが急務の課題である。
このため、地方において、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む「好循環」を確立することで、地方への新たな人の流れを生み出すとともに、その「好循環」を支える「まち」に活力を取り戻すことに取り組むこととしている。
この観点から、今後の検討にあたっては、以下の原則に即した政策を整備するよう徹底をはかる。

(1) 自立性(自立を支援する施策)
地方・地域・企業・個人の自立に資するものであること。この中で、外部人材の活用や人づくりにつながる施策を優先課題とする。

(2) 将来性(夢を持つ前向きな施策)
地方が主体となり行う、夢を持つ前向きな取り組みに対する支援に重点をおくこと。

(3) 地域性(地域の実情等を踏まえた施策)
国の施策の「縦割り」を排除し、客観的なデータにより各地域の実情や将来性を十分に踏まえた、持続可能な施策を支援するものであること。

(4) 直接性(直接の支援効果のある施策)
ひと・しごとの移転・創出を図り、これを支えるまちづくりを直接的に支援するものであること

(5) 結果重視(結果を追求する施策)
プロセスよりも結果を重視する支援であること。このため、目指すべき成果が具体的に想定され、検証等がなされるものであること。

この原則に基づき、まち・ひと・しごと創生法案ができており、次のような概要になっています。

まち・ひと・しごと創生法案の概要

まち・ひと・しごと創生法案の概要

この概要から地方創生には、全閣僚の参加、都道府県・市町村の参加することがわかります。

そのため 地域おこし(地域活性化・地域振興・地域づくりなど) を中心として、その他の対策とあわせ包括的に支援するようになっていくと思われます。

人口減少に関する論文等

人口減少に関する小論文やレポートなどについては以下より閲覧してください。

▶ 人口減少論文
▶ 人口減少資料
▶ 人口減少図書1   ▶ 人口減少図書2
▶ その他レポート等

まとめ

人口減少は日本が抱える大きな問題ということがわかりました。この影響により市区町村(自治体)の消滅や極点社会が懸念されていました。

また人口減少はほぼ避けられないため、地方創生に目が向けられ“まち・ひと・しごと創生本部”の設置、地域おこし(地域活性化・地域振興・地域づくりなど)がおこなわれていました。

この人口減少問題は、 少子高齢化問題 との関係が深く、その影響があらわれている地域もあるので、この問題から日本(地域)の未来が容易に想像できたのではないでしょうか。

社会問題はさまざまな要因が重なり合い深刻化していきますが、この人口減少問題から、そのことが手に取るようにわかりました。

2015/7/31 11:50:16

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