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終戦の15年も前に死んでいる軍事学者の誤った戦略理論により都市爆撃により多くの罪なき人間の生命が奪われた


世界の至るところで罪なき多くの非戦闘が殺された第二次世界が終わったのは1945年のことです。

第二次世界大戦では空襲により多くの生命が奪われました。

ライト兄弟が1903年に初飛行に成功した後、飛行機は第一次世界大戦(1914年~1918年)でも実践投入されましたが、戦略爆撃が行えるまでに航空技術が発達したのは第二次世界大戦が始まる少し前のことでした。

第一次世界大戦の3年後の1921年にイタリアの軍事学者で軍人だった ジュリオ・ドゥーエ が新しく兵器として加わった 飛行機 を使った次のような戦略理論を提唱しました。

空爆を行うことによって、交戦相手国の民間人がパニックを起こし、自己保存の本能に突き動かされ、戦争を終わらせるよう自国に要求する反戦運動が起こるであろうことから、戦争を短期に勝利へ導くための人口密集地域への住民への 高性能爆弾・焼夷弾・毒ガス などを用いた効果的な 無差別爆撃論 を提唱したのです。


非戦闘員への攻撃を禁止する国際条約 ハーグ陸戦条約 の違反も甚だしい無差別爆撃論を発表した9年後の1930年にジュリオ・ドゥーエは他界してこの世を去りますが、彼の酷い戦略理論は世界各国の軍隊に受け容れられて、広まっていきました。

第二次世界大戦の前哨戦とも言われたスペイン内戦において、1937年に北部のバスク地方の小都市のゲルニカに(実際には軍隊はいなかったが)マヌエル・アサーニャ率いる共和国軍がいるのではないかという推測に基づきとフランコ将軍を支持するナチスドイツのコンドル軍団が空爆を行いました。


これが歴史上で最初の 無差別爆撃 だと言われ、6,000人ほどの少ない人口の小都市のゲルニカでは、空爆により多くの民間人が虐殺されました。

空爆により推定死者数は、フランコ側(120人~200人)、反フランコ側(1,600人~2000人)と、大きな開きがありますが、いずれにしても、6,000人ほどの人口だったゲルニカ市民の40人に1人~4人に1人という高い割合で市民が虐殺されたことは間違いありません。


スペイン出身のピカソが、この無差別殺人への怒りを込めて作成した壁画が、この有名な ゲルニカ です。


1939年に勃発(日本は1941年に参戦)した第二次世界大戦では、ジュリオ・ドゥーエの戦略理論に基づいた都市爆撃が世界の至るところで行われました。

このBLOG記事の冒頭に載せた写真は空襲により破壊された福山駅の写真です。

広島に原爆が投下された2日後に、同じ広島県内の広島に次ぐ第二の都市の福山市が無差別爆撃の虐殺をされました。

当時の人口が58,745人で、死者354人、重軽傷者864人、焼失家屋数10,179戸、被災者数47,326人で、当時の福山市民の81%が被災したとの記録です。


東京大空襲など、全ての都道府県の主だった都市に無差別爆撃を受けた日本の空爆での死者数は、少なめの報告数字である 敵国 米国戦略爆撃調査団 による報告結果でも 252,769人 にのぼります。

広島と長崎への原爆投下、東京大空襲と並んで第二次世界大戦時の 無差別爆撃による虐殺 による地獄だった言われる 3日間も続いた ドイツ東部の都市 ドレスデンへの無差別爆撃 でも、罪のない多くの市民が殺されました。


19世紀末のドレスデンのアルトマルクト広場の絵です。


空爆により、このように無残にも破壊されてしまいました。


同じく、破壊されたドレスデンの写真です。


ドレスデンの防空壕の中で焼死した女性の写真だそうです。

第二次世界大戦中、アメリカ合衆国軍は、ドイツや日本に対して 敵国民の戦意をくじく効果を期待して都市への無差別爆撃が行われたという経緯がありましたが、戦争終了後にドイツや日本に進駐し、創設されて間もない アメリカ合衆国空軍の戦略爆撃調査団 によって行われた調査では、産業と生活の基盤は破壊したが 国民の士気は打撃を受けていない と報告されており、ジュリオ・ドゥーエの戦略理論が正しくなかった ことを示しています。

ドイツや日本など敗戦国への空爆だけではありません。

第二次世界大戦の緒戦ではナチスドイツが優勢で西ヨーロッパ大陸は全て影響下に置かれ、交戦を続けていたのはグレートブリテン・北アイルランド連合王国(通称イギリス)しか残っていませんでした。


1940年9月7日から1941年5月10日まで、ナチスドイツは大規模な都市への無差別爆撃を行いロンドンの街は徹底的に破壊されました。

しかし、爆撃を受けたロンドン市民のナチスドイツへの交戦意欲は衰えることなど全くなく、ロンドン市民は、夜間爆撃の防空壕として使われていた地下鉄の駅から朝、職場へ出社するタフな精神力を発揮して、抵抗を続け、遂にはナチスドイツに勝利しています。

第二次世界大戦が終結した1945年よにも15年も前に死んだイタリアの軍事学者 ジュリオ・ドゥーエ の誤った理論に気づかずに、多くの罪無き民間人の尊い生命が奪われてしまったことに、言葉では表現できない哀しみを覚えます。




( 続く )





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2016/8/14 0:00:09

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