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ブログ記事|素晴らしい演奏だと言えるだろうか? カルメン前奏曲
素晴らしい演奏だと言えるだろうか? カルメン前奏曲
前回のBLOGにて、シューマンはオーケストレーション(管弦楽法)が下手だという意見もある中で、そのように私は思わないという主張を述べました。
拙いオーケストレーションの有名曲として、最初に私の中で浮かんでくるのは、19世紀フランスのビゼーが作曲した歌劇「カルメン」の前奏曲です。
皆さんもご存知の、この有名な曲ですが、華やかに大きな音が鳴り響く曲 というイメージを持たれている方が多いと思いますが、もしも、オーケストラの全ての楽器の奏者が、それぞれ大音量で演奏したならば、大変なことになってしまいます。
各楽器が大音量を鳴らすと、旋律を奏でているバイオリン、フルートも旋律を奏でているでしょうか‥‥ 旋律以外を奏でている楽器の音量で、旋律が消され、聴こえなくなってしまうのです。
だから、旋律以外を奏でる楽器は、大きな音量を奏でているフリをして、実際には 小さな音量 で演奏しているのです。
指揮者が何も考えずに、全奏者に、大きな音で演奏させてしまったならば、大変なことになるので、旋律以外の小さく演奏すべき楽器の音量を、それぞれ、どれぐらいにすれば良いかを指示することが重要な仕事となります。
下記URLの実際の演奏している映像をご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=CT2wkM0i1gs
この動画の演奏に限らず、どの演奏でも、旋律以外の楽器は、小さな音量でしか演奏できません。
動画での奏者のアクションで一番、解り易いのは、打楽器のシンバル奏者の姿です。
小さなアクションで、決して大きな音を鳴らさないように注意しながら演奏していることが解ります。
ハッキリ言ってしまえば、要はオーケストレーションが下手 なんです。
その下手なオーケストレーションを補うために、音量を抑えるべき楽器を 上手に指示・調整する できたことが、果たして、名演だと言えるのでしょうか?(私は、そうは思いません)
少し更に話が逸れますが、私はビゼーのカルメン前奏曲という曲自体が、素晴らしい曲だとも思いません。
旧ソ連のショスタコーヴィチの次世代を担った偉大な作曲家 シチェドリン がビゼーのカルメンを大オーケストラと打楽器のための編曲(アルルの女など他のビゼーの曲のメロディーを挿入したり、拍子を変える曲があるなど、大胆な編曲)をしているように、未熟な私には、未だにビゼーの素晴らしさが理解できないのかもしれませんが、カルメンとアルルの女ぐらいしか聴いたことはありませんが、ビゼーという作曲家は、私の中では、ちょっと一段下の作曲家という位置づけです。
いずれにせよ、多くの奏者が、大音量を演奏しているフリをして実際は小さな音で演奏しなければならない曲は、とても残念に感じます。
( 続く )
「音楽の素晴らしさ」の前回のBLOG記事
凄まじい情熱が全てを凌駕した素晴らしい作曲家シューマン は下記のURLとなります。
http://blog.goo.ne.jp/pizzica0912/e/44f24ae0ea13c5469b95f393d6505ade
「音楽の素晴らしさ」シリーズの各掲載は下記のURLとなります。
http://blog.goo.ne.jp/pizzica0912/e/7e3b92fd45e0082610ac0f53b1c957c1
また、既にシリーズ連載を終了した 伝説のピアニスト (日本で超絶技巧練習曲1837年版を初演したピアニスト 川上敦子 さん) 全25話 もあわせてお読みいただければ幸いです。
http://blog.goo.ne.jp/pizzica0912/e/425e60748dfa331bec8b445953003a7a
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2016/5/6 23:00:09