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ブログ記事|愛犬のパークが導いてくれた認知症という病気への接し方
愛犬のパークが導いてくれた認知症という病気への接し方
母と私が、出掛けて家に帰ると、庭にいるパークの様子が変でした。
庭には柵を巡らせてあるので、自由な筈のパークが、鎖に繋がれていました。
父に質問をしても、認知症のため納得できるような回答 など、返ってきません。
しばらくすると、家のチャイムが鳴り、自宅から10分ほど離れた、お散歩ルートで、いつも優しく声を掛けてくれる方が、玄関先に立っていました。
事の真相は次のようでした。
私たちの留守中に、パークが散歩に行きたいだろうから‥‥ と、父が勝手に考え、パークを1人で散歩に連れていったのです。
当時の父は、1人でパークの胴輪をつけることも、パークを連れて10分もの距離を行くことも出来ない筈だったのですが、そこが認知症という病気の恐ろしい ところです。
理屈では到底、無理なことが、現実には起きたのです。
父は10分ほど離れた公園まで連れて行き、嬉しくなって走り出してしまったパークを御せずに綱を離してしまったようです。
公園で遊んでいたお子さんを突き飛ばしてしまい全治3日の怪我を負わせてしまったのでした。
この時、たまたま通りかかった、この方が捕まえて、父とパークを自宅に戻して下さったのでした。
散歩中には会うものの、私の家の場所をご存知にない、この方は、父に質問しても、満足な回答が得られず 、パークの向かおうとする行き先に任せて、私の自宅に辿り着いたそうです。
直ちに母と一緒に、怪我をさせてしまったお宅に謝罪に行きました。
「犬を確保して! と何回も言っても、捕まえてくれず、本当に怖い思いをした!」
と、散々に怒られました。
当然です。 父が認知症だと言うことも、一般の方には、わからないし、母と私が、一生懸命に説明しましたが、ご理解を頂けませんでしたし、聞く耳を持ってもいただけませんでした。
怪我をされたお子さんは、何も悪くありませんし、お怒りになるお母様の主張は、もっともなことで、ただただ、私たちは、謝る しかありませんでした。
それから毎日、菓子折りを持って、一週間ほど、そのお家へ通い、治療代と迷惑料を合わせて10万円ほど で、何とか怒りを収めていただきました。
以前のBlogでも触れましたが、当時の日本の多くの家庭と同じく、私たちも、父の認知症のことを、ご近所には出来るだけ隠そう としていました。
この事件が起きる一年前には、私が会社を約1ヶ月、休むほどまでの父の病状であったにもかかわらず‥‥。
私以上に母が嫌がっていました。
自宅の前に介護施設の車が止まって、デイサービスに行けば、ご近所の方からアレコレ言われる のではないか‥‥と。
そのことだけが恐ろしく、だから、ご近所に方には、何も話はしていなかったのです。
この事件で助けて下さった方は、自宅から離れた所に住んでいた方なので、父の病気のことを話すことが出来ていたのでした。
今回、その方が、たまたま助けて下さったのも、何かの巡り合わせ だと、母も私も感じました。
よって、この事件のことで、父やパークを責めることは、母も私も、一切、しませんでした。
そして、逆に、この事件が、ある意味、キッカケとなり、紹介していただいた、地元の川崎市からも後援をもらっている 介護者の家族の会 の会長さんとも会うことで、
誰もが最初は近所の体裁などから、同じ悩みを持つけれど、一歩、踏み出すことで、認知症で闘病中の本人も、それを支える家族も、少しでも負担が軽減される のだと、諭していただきました。
そして、父は週2回の デイサービス をお願いすることにしました。
このBLOGはシリーズ 認知症の父の自宅介護 第10話 の中で同タイトルで既に掲載しているものを一部、修正して載せています。
( 続く )
このシリーズの前回の記事 父が歩けなくなるまで支えてくれたパーク は下記のURLとなります。
http://blog.goo.ne.jp/pizzica0912/e/2df414912b534bf83d43693eb53efac1
このシリーズの目次は下記のURLとなります。
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他の連載シリーズは下記のURLとなります。
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2015/11/17 23:00:11