ブログ記事｜被弾したB29からパラシュートで脱出した米兵たちの運命

被弾したB29からパラシュートで脱出した米兵たちの運命

万一日本国内に不時着した場合でも、日本の一般市民 の捕虜に対する取り扱いは至極人道的なものなので‥‥

兵士たちに、そう言って安心させて日本への空爆へ向かわせたと言われます。

しかし、これは、初期の話です。

爆撃機が被弾してパラシュートで落下した兵士を日本人は捕虜として扱い、民間人も虐待などはせず、物珍しさもあり、多くの民間人が連行される捕虜を見物に行ったそうです。

爆撃目標が軍事基地や軍需工場から都市への 無差別爆撃 へ移行すると状況が変わりました。

「パラシュートで降下した際には、日本の軍関係者を見つけて投稿するように。民間人に捕まると 虐殺 される危険があるから気をつけるように。」 と兵士への指示が変わりました。

初期の頃は、脱出できずに機体の残骸死骸と一緒になった兵士の亡骸も、民間人は進んで丁重に埋葬していました。

しかし、都市への無差別爆撃が行われるようになると状況が全く変わりました。

発見した民間人が取り囲み、軍や警察関係者が到着する前に、リンチを受けて殺されていた という事例も多く発生しました。

敗戦後のＢ級・Ｃ級の軍事裁判で、多くの日本人の軍関係者と民間人が 捕虜虐待（虐殺）の罪 で裁かれ、死刑を含む有罪とされましたが、大量虐殺行為である都市への無差別爆撃 に対して、日本の民衆の怒りが頂点に達していた ことは間違いありません。

このような民衆の怒りを受けて、当時の軍関係者も方針を変更しています。

軍事目標を攻撃した兵士は従来通り 捕虜 として扱いましたが、国際法で禁止されている非戦闘員への無差別爆撃を行った兵士には捕虜ではなく 犯罪者 として対応するようになりました。

各種記録を読むと、軍事法廷での裁判も行われずに憲兵隊などに処刑されたケースも多くあり、最も多かった処刑方法は 斬首 でした。

本土決戦に備える日本軍兵士の突殺用の訓練として銃剣で突かれて殺されること、（民間人を含む）リンチにより殺されることも多くあったようです。

犯罪者の認定をされたものの死刑が執行される前に日本が敗戦したため帰国できた兵士たちの話では、囚われていた時の扱いは言葉を絶する酷い仕打ちだったそうです。

非戦闘員を巻き込む戦争が、いかに 酷いもの で、ただでさえ忌まわしい戦争が さらに酷いもの にしてしまうのです。

このことを後世に伝えていく必要があると、改めて感じます。



高度 9,000ｍ もの超高度を飛行するB29爆撃機に対して、日本は何もすることが出来なかったと、よく言われています。

日本の迎撃機は、その高度まで辿り着けず（辿り着けても戦闘に必要な満足な旋回などの飛行が出来ずにB29の各所からの機銃掃射で撃ち落とされた）、日本の高射砲も高度 9,000ｍ までは届かなかったので、殆んど反撃できなかった ことがその理由とされます。

4,000 機弱が延べ 約30,000 回 出撃したと言われるB29は、機体故障を除いて 500機弱 が日本軍の攻撃で撃墜されています。

高度 9,000ｍ を飛行できるB29でしたが、こんな高い所から爆弾を投下しても、実際には目標に命中させることなどは殆んど出来なかったため、実際の空襲では 高度 2,000 ～ 3,000ｍ で爆撃を行なっていたので、十分に日本の迎撃機も高射砲も届く範囲でした。

効果的にB29を撃墜できなかったのは、陥落した硫黄島に作られた飛行場から、航続距離の長いP51戦闘機が護衛につき、制空権を握られていた こと、高射砲の数が絶対的に不足していた ことが理由のようです。

B29撃墜の約 2／3 は高射砲によるもので、約 1／3 が（日本のパイロットはパラシュートにより脱出する）体当たり攻撃を含む、迎撃機による撃墜だと言われています。


写真は日本の都市防衛の主力だった三式高射砲です

（　続く　）


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